2003年3月から2年間、KKベストセラーズより「月刊 手塚治虫マガジン」が発行された。
文字通り手塚治虫の作品に限定した漫画雑誌である。手塚の死からは14年が経過していた。
全24号が手元にあるので、いったいどんな作品が掲載されたのか見てみよう。
・・と言いながら答えを先に書いてしまうと、「鉄腕アトム」と「ブラック・ジャック」が中心である。毎号載っていた。
「アトム」は、ちょうど新作アニメ「ASTRO BOY 鉄腕アトム」の放映がスタートする時期であった。これと連携する形での発刊だったのかもしれない。
また、2004年の10月からは「ブラック・ジャック」のTVアニメが始まり、雑誌の歴史と重なることとなる。「ブラック・ジャック」については、マガジンとの因果関係(雑誌で話題になったからアニメ化された等々)までは掌握してないが、まったく因果がなかったことはないだろう。
創刊号のヘッダーには、〈『アトム』や『ブラック・ジャック』と会える!〉との文字がある。
詳しい理由は知らないが(笑)、「手塚治虫マガジン」はこの2作品をメインに据えた雑誌なのであった。
では、それ以外にはどんな作品が載っていたのだろうか。
・ブラック・ジャック「誤診」
・ブラック・ジャック「はるかなる国から」
・ブラック・ジャック「ふたりの黒い医者」
・雨ふり小僧(短編)
・野郎と断崖(短編)
・鉄腕アトム「青騎士の巻」前編
・どろろ「発端の巻」
・紙の砦(短編)
メッセージ・ゲスト 藤子不二雄A
「雨ふり小僧」や「紙の砦」など、短編の重要作を惜しげもなく投入。不確かな記憶で申し訳ないが(以下全て同じ)、「紙の砦」は手塚本人が自らの最重要作品の一つに数えていたはずだ。
・ブラック・ジャック「めぐり会い」
・ブラック・ジャック「畸形嚢腫」
・ブラック・ジャック「ちぢむ!!」
・鉄腕アトム「青騎士の巻」後編
・どろろ「百鬼丸の巻」
・るんは風の中(短編)
・ジョーを訪ねた男(短編)
・シュマリ「第1章 地の果て」
「シュマリ」の連載が始まる。短編では「るんは風の中」が光り輝く。手塚版「ピンナップ・ベイビー・ブルース」(シーナ&ザ・ロケット)だ。
・鉄腕アトム「アトム復活の巻」
・ブラック・ジャック「ときには真珠のように」
・ブラック・ジャック「座頭医師」
・どろろ「法師の巻」
・リボンの騎士「運命の幕開けの巻」
・シュマリ「第2章 余市川」
・ゴッドファーザーの息子(短編)
・狂った国境(短編)
「リボンの騎士」の連載が始まる。この漫画は読みたくても事実上なかなか読めない作品であった。故に貴重。
・ブラック・ジャック「ピノコ生きてる」
・ブラック・ジャック「ある女の場合」
・ブラック・ジャック「えらばれたマスク」
・どろろ「金小僧の巻」
・シュマリ「第3章 刺青」
・鉄腕アトム「メラニン一族の巻」
・リボンの騎士「運命の変転の巻」
・ぼくのそんごくう「霊感大王の巻」
メッセージ・ゲスト 小松左京
※「まず、漫画を描く上で大いに刺激を受けたね」とは、小松左京が若い頃に漫画を描いてたことに関連するエピソード。
「ぼくのそんごくう」は、この1編だけでは話の繋がりが見えず中途半端。映画「ぼくの孫悟空」が7月に公開されるのに合わせての掲載だった。であれば、むしろもっと読みたい。TVアニメ「悟空の大冒険」は永遠不滅のハイパー作品。
・ブラック・ジャック「ピノコ・ラブストーリー」
・ブラック・ジャック「友よいずこ」
・ブラック・ジャック「魔王大尉」
・どろろ「万代の巻」
・シュマリ「第4章 雪解け」
・いないいないばあ(短編)
・モンモン山が泣いてるよ(短編)
・鉄腕アトム「ミーバの巻」前編
・リボンの騎士「‶リボンの騎士″登場の巻」
・SFファンシーフリー~炎症(短編)
「モンモン山が泣いてるよ」は、初出が月刊少年ジャンプ1979年1月号。ゆるぎない自然への愛情、そして反戦。常に一貫している。
「リボンの騎士」は、こうして読むとしっかり手応えがある。もっと若いうちに読むべきだったが、ほかに優先順位の高い作品があまりにも多すぎた(笑)。
・ブラック・ジャック「アリの足」
・動物つれづれ草「キツネ」
・ブラック・ジャック「六等星」
・動物つれづれ草「サル」
・暗い穴(短編)
・鉄腕アトム「ミーバの巻」後編
・カノン(短編)
・動物つれづれ草「ネコ」
・動物つれづれ草「ウサギ」
・シュマリ「第5章 太財一族」前編
・どろろ「人面瘡の巻」
・モモンガのムサ(短編)
・リボンの騎士「サファイアの危難の巻」
・動物つれづれ草「ネズミ」
メッセージ・ゲスト 手塚眞
「動物つれづれ草」は見開きの枠無しエッセイ漫画。←こういう説明で正しいのだろうか?
短編「カノン」は1974年の作品。この時点で、登場人物のセリフにある通り、戦争から(わずか)30年であったことが胸に迫る。
これまで製本の仕方が中綴じだったのが、本号から平綴じとなった。ページ数はさほど変わらない。一方で値段は「特別定価」ということで安くなった。雑誌が売れていたということなのだろうか??
・ブラック・ジャック「誘惑」
・ブラック・ジャック「人面瘡」
・どろろ「無残帳の巻」
・鉄腕アトム「透明巨人の巻」前編
・ダリとの再会(短編)
・雨のコンダクター(短編)
・インセクター(短編)
・リボンの騎士「フランツ王子の誤解の巻」
・シュマリ「第5章 太財一族」後編
偶然だが前号の「どろろ」が「人面瘡の巻」、本号の「ブラック・ジャック」は「人面瘡」の回が載っている。同時期に描かれたものではなく時代が離れているのが興味深い。
「雨のコンダクター」はレナード・バーンスタインの実話を描いた1974年の短編。こんな作品があったんだな。末尾のモノローグに没年が書かれている(しかも手塚の没年よりも後である)ので、手を加えられているものと思われる。
「インセクター」もまた切ない話であるが、手塚の美学ここにあり、って感じ。
・ブラック・ジャック「U-18は知っていた」
・鉄腕アトム「透明巨人の巻」後編
・動物つれづれ草「カエル」
・動物つれづれ草「ウマ」
・どろろ「妖刀の巻」
・原人イシの物語(短編)
・動物つれづれ草「クマ」
・動物つれづれ草「イヌ」
・グランドメサの決闘(短編)
・リボンの騎士「魔女の娘ヘケート登場の巻」
・藤子不二雄A:神の人の近くに
メッセージ・ゲスト 石坂啓
※手塚を語る上でこの人は絶対外せない。でも、アシスタント時代は思いのほか短い。
こ、このDVDは買うべきだった、、
改めて藤子Aの「神の人の近くに」を読むと、漫画家としてだけではない手塚の超然ぶりが伝わってくる気がする。これだけの作品を描きながら、映画とかもかなり観たんだろうなあ。ようするに睡眠しない人だったのだろう。実際、本号に手塚の書いた映画「ザ・フライ」への評論が載ってるけど、まあとにかく博識・博学。今さらながら、只の漫画家じゃないことが分かる(笑)。戦後最大の文化人だ。
・火の鳥【鳳凰編】第1回
・ブラック・ジャック「勘当息子」
・ブラック・ジャック「ブラック・クイーン」
・鉄腕アトム「アルプスの決闘の巻」
・インセクター 蝶道は死のにおい(短編)
・荒野の七ひき(短編)
・リボンの騎士「白鳥になったサファイアの巻」
・どろろ「ばんもんの巻」全編
本号よりページが大幅増。一気に分厚くなった。が、今月号においては、増えた分がそのまま「どろろ」に注がれた。「ばんもんの巻」の一挙掲載、98ページ。読むのにドッと疲れる(良い意味で)。と、この話はさらに次号へ続くのであった(笑)。今だから読めるが、「どろろ」って子どもの頃は怖くて絶対読みたくない漫画だった。手塚の恐怖趣味・怪奇趣味って何処から来てるのだろう?源泉は何なのだ??
11月号に載った「インセクター」の続編は、これまた「ミクロイドS」を彷彿とさせるような惨劇。手塚が昆虫を描くと、いつもこっちの方向になってしまう(?)。
・鉄腕アトム「地上最大のロボットの巻」第1回
・火の鳥【鳳凰編】第2回
・ブラック・ジャック「B・J入院す」
・ブラック・ジャック「空からきた子ども」
・山太郎かえる(短編)
・どろろ「白面不動の巻」前編
・山の彼方の空紅く(短編)
・リボンの騎士「棺桶塔炎上の巻」
・ハヌマンの冒険(短編)
浦沢直樹「PLUTO」とあたかも申し合わせたかのように連載が始まった。
「PLUTO」って最初から話題になってたんだっけ??
「山太郎かえる」は1980年、「山の彼方の空紅く」は1982年の作品。同じテーマを繰り返し繰り返し、少しずつパラフレーズしながら描き続けていた(もちろん良い意味で)ということがホント伝わる。
・ブラック・ジャック「医者はどこだ!」
・ブラック・ジャック「本間血腫」
・ドン・ドラキュラ 第1話「ドラキュラ登場」
・火の鳥【鳳凰編】第3回
・鉄腕アトム「地上最大のロボットの巻」第2回
・夜よさよなら(短編)
・緑の猫(短編)
・どろろ「白面不動の巻」後編
・リボンの騎士「石になった王妃の巻」
・やまなし(短編)
メッセージ・ゲスト やなせたかし
※手塚を〈君付け〉で呼べるのは、2004年当時でもこの人ぐらいだったんじゃないかなあ。
「ブラック・ジャック」は第1話を掲載
このアトランダムさ加減は好きである
「ドン・ドラキュラ」の連載が始まる。週刊少年チャンピオンから見れば、「ブラック・ジャック」の次の手塚作品である。この落差(良い意味で)!てか、改めて読むと面白い。てか、はっきり言ってこーゆー作品をもっと描いてほしかった。手塚のギャグセンスの若々しさは異常。
短編「やまなし」は、宮沢賢治の「やまなし」の話をページの上半分に流しながら、下半分で人間の世界の物語が展開するという「こち亀」みたいにかなり技巧的な1編。こんな作品があるとは知らなかった。
・ふしぎなメルモ「ミラクル・キャンディーの巻」
・鉄腕アトム「地上最大のロボットの巻」最終回
・ドン・ドラキュラ 第2話「またもやドラキュラ」
・安達が原(短編)
・ブラック・ジャック「ハッスルピノコ」
・ブラック・ジャック「三者三様」
・どろろ「地獄変の巻」前編
・0次元の丘(短編)
・リボンの騎士「海賊ブラッド船長の巻」
・火の鳥【鳳凰編】第4回
「ふしぎなメルモ」連載開始。タイトルのレタリングが懐かしい。私は子ども当時「うしぎなメルモ」と読んでいたものだ。アニメの最終回は本邦テレビ史上、空前の感動であった。
本号より〈手塚治虫スター名鑑〉として、複数作品によく登場するキャラクターの紹介が始まる。1回目はロック・ホーム。「バンパイヤ」のダークヒーローが一番有名かと思ってたら、いろんな作品に出演してるのね。「ブラック・ジャック」の第1話に出てくるのも、そうかあれもロックだったのか。
・火の鳥【鳳凰編】最終回
・鉄腕アトム「アトム対ガロンの巻」
・ブラック・ジャック「春一番」
・ブラック・ジャック「ストラディバリウス」
・ころすけの橋(短編)
・どろろ「地獄変の巻」後編
・ウオビット(短編)
・リボンの騎士「さんざしの森のできごとの巻」
・ドン・ドラキュラ 第3話「やっぱりドラキュラ」
・われ泣きぬれて島と(短編)
・ふしぎなメルモ「白鳥の巻」
・永井豪:魔神王ガロン 第1回
〈創刊1周年記念特別号〉ということで、「B・J」ハンカチが付録に
未開封だぜ
この1年間に掲載された作品リスト
メッセージ・ゲスト 永井豪
「魔神ガロン」へのオマージュ作として、永井豪「魔神王ガロン」の連載が始まる。手塚の「魔神ガロン」って早すぎたってことだよな、ようするに。そう思いたい(笑)。
短編「ころすけの橋」も「ウオビット」も動物を描いてる作品。だが方向性が正反対。片や動物への愛情、片や動物への恐怖。表裏一体ということなのかな?えらい多様な作家だ。
・ブラック・ジャック「二つの愛」
・ブラック・ジャック「不死鳥」
・火の鳥【黎明編】第1回
・ドン・ドラキュラ 第4話「ドラキュラ・タンカー」
・大あたりの季節 ~ザ・クレーター~(短編)
・悪右衛門(短編)
・リボンの騎士「子ネコと天使の巻」
・ふしぎなメルモ「やってきたおばさんの巻」
・どろろ「無情岬の巻」第1回
・鉄腕アトム「イワンのばかの巻」
・永井豪:魔神王ガロン 第2回
「火の鳥」の黎明編が始まる。鳳凰編を先にもってくるなど、ホント自由な雑誌だ(良い意味で)。
読み切り「悪右衛門」は100ページの、いわば大作。個人的には「百物語」を彷彿とさせる。
「ザ・クレーター」から「大あたりの季節」がピックアップされている。「ザ・クレーター」はどの短編も傑作だから、この中からどれか選ぶとなるとだいぶ好みが分かれよう。
・鉄腕アトム「ホットドッグ兵団の巻」第1回
・ブラック・ジャック「落としもの」
・ブラック・ジャック「畸形嚢腫パート2」
・火の鳥【黎明編】第2回
・ドン・ドラキュラ 第5話「なんちゅうかドラキュラ」
・生けにえ ~ザ・クレーター~(短編)
・どろろ「無情岬の巻」第2回
・奇動館(短編)
・リボンの騎士「ヘル夫人の要求の巻」
・ふしぎなメルモ「テレビのディレクターの巻」
・嚢(短編)
・永井豪:魔神王ガロン 第3回
「ザ・クレーター」から「生けにえ」がピックアップ。この作品は切なすぎるぞ。
「生けにえ」はファンタジーだからまだマシか。さらに続けて「嚢(ふくろ)」なんか読んだ日にゃ暫くボーゼンとしてしまうぜよ。
・ふしぎなメルモ「捨てネコの巻」
・ブラック・ジャック「おとずれた思い出」
・ブラック・ジャック「おばあちゃん」
・どろろ「無情岬の巻」第3回
・どろろ「ミドロの巻」
・鉄腕アトム「ホットドッグ兵団の巻」第2回
・ドン・ドラキュラ 第6話「もうひとつドラキュラ」
・火の鳥【黎明編】第3回
・四谷快談(短編)
・リボンの騎士「女の戦いの巻」
・永井豪:魔神王ガロン 第4回
「ブラック・ジャック」の「おとずれた思い出」は、少年チャンピオン・コミックスに未収録となっていた作品。
短編「四谷快談」は1976年の週刊少年ジャンプに掲載された。が、「ライオンブックス」とはまた異なる。例によって手塚治虫本人が活躍し、ブラック・ジャックも端役で登場する快作。
だいぶ間が空いたが〈手塚治虫スター名鑑〉の第2回目として取り上げられたキャラクターは、ハム・エッグ。個人的に、時々アセチレン・ランプとごっちゃになる。
・新選組 第1回
・ブラック・ジャック「宝島」
・どろろ「どんぶりばらの巻」
・鉄腕アトム「ホットドッグ兵団の巻」第3回
・ブラック・ジャック「オペの順番」
・火の鳥【黎明編】第4回
・ドン・ドラキュラ 第7話「ドラキュラvsカーミラ」
・リボンの騎士「ナイロンの最後の手段の巻」
・ふしぎなメルモ「林の妖精の巻」
・ふしぎなメルモ「山火事の巻」
・永井豪:魔神王ガロン 第5回
メッセージ・ゲスト さいとう・たかを
「新選組」の連載開始。改めて、時代劇の多さに気づかされる。
〈スター名鑑〉第3回は、アセチレン・ランプ。なぜ頭にローソクが立ってるか、その由来も書かれている。私の中では、ハム・エッグとアセチレン・ランプとヒョウタンツギでワンセット。
・ブラック・ジャック「アヴィナの島」
・火の鳥【黎明編】最終回
・鉄腕アトム「人工衛星SOSの巻」
・ふしぎなメルモ「ブルドッグの巻」
・ブラック・ジャック「シャチの詩」
・どろろ「四化入道の巻」
・ドン・ドラキュラ 第8話「もう一度ドラキュラ」
・新選組 第2回
・リボンの騎士「悪魔の結婚式の巻」
・海の姉弟(短編)
・グロテスクへの招待(短編)
・ひとでの秘密(短編)
・永井豪:魔神王ガロン 第6回
「火の鳥/黎明編」のラストの初読時の感動は忘れられないな。どうやって崖を降りるのだろう、などと思ったりもしたけど。
10月号ということだが発売は8月。それに合わせたのだろうか、短編3つと「ブラック・ジャック」の2編は、全て〈海〉を題材としたものだ。んで「海のトリトン」をすげー読みたくなってくるのよ。
しっかし短編を次々と読んでると、今さらながら手塚のストーリーテリングの見事さに唸らされてしまう。手塚ってどういうふうにしてシナリオ作ってたんだっけ?いきなり絵コンテなんだっけ??
・ブラック・ジャック「針」
・どろろ「ぬえの巻」
・火の鳥【未来編】第1回
・新・聊斎志異 女郎蜘蛛(短編)
・ブラック・ジャック「万引き犬」
・鉄腕アトム「白い惑星の巻」
・ふしぎなメルモ「学芸会の巻」
・てんてけマーチ(短編)
・ブラック・ジャック「お医者さんごっこ」
・新選組 第3回
・リボンの騎士「サファイアの復活の巻」
・ドン・ドラキュラ 第9話「ドラキュラ半魚人にあう」
・永井豪:魔神王ガロン 第7回
「どろろ」は最終回。この終わり方は嫌いではない。てか好きである。
それにしても「ふしぎなメルモ」はカラーで読みたいぜ(笑)。
〈スター名鑑〉第4回は、ヒゲオヤジ。年は42歳だそうである。今、こういう42歳はなかなかいない。
・三つ目がとおる「三つ目登場」
・三つ目がとおる「第三の目の怪」
・ブラック・ジャック「ある教師と生徒」
・鉄腕アトム「キリストの目の巻」
・火の鳥【未来編】第2回
・カタストロフ・イン・ザ・ダーク(短編)
・ブラック・ジャック「白いライオン」
・ふしぎなメルモ「運動会の巻」
・新選組 最終回
・ドン・ドラキュラ 第10話「いとしのブロンダ」
・リボンの騎士「ビーナスのたくらみの巻」
・最後はきみだ!(短編)
・緑の果て(短編)
・永井豪:魔神王ガロン 第8回
「三つ目がとおる」連載開始。子どもの頃はあまり好きじゃなかったが、今になってやたら読んでみたい作品の1つだ。というか、結局どーゆー漫画なのか未だに分かっていない。今回読んでも、雰囲気は良いなあと思うけど、何を言いたいのかが把握できない。そんなもんでいいんだっけ、この漫画?
・舞踏会へきた悪魔(短編)
・リボンの騎士「丘の上の奇跡」
・三つ目がとおる「魔法産院」
・ブラック・ジャック「もらい水」
・鉄腕アトム「マッド・マシーンの巻」
・火の鳥【未来編】第3回
・ブラック・ジャック「海賊の腕」
・ドオベルマン(短編)
・はなたれ浄土(短編)
・ドン・ドラキュラ 第11話「そういえばドラキュラ」
・つるの泉(短編)
・シルクハット物語(短編)
・母の眼ばなし(短編)
・ふしぎなメルモ「花嫁さんの巻」
・永井豪:魔神王ガロン 第9回
メッセージ・ゲスト 「PLUTO」連載中の浦沢直樹
短編がことごとく素晴らしい。手塚の神髄は短編にありと思い知らされる。あまり怖くない短編をもっと描いてください、手塚先生!!
〈スター名鑑〉、第5回はレッド公。ドン・ドラキュラに似てなくもない。
・バンパイヤ 第1回
・ブラック・ジャック「ハローCQ」
・鉄腕アトム「植物人間の巻」
・三つ目がとおる「酒船石奇談」
・ブラック・ジャック「動けソロモン」
・火の鳥【未来編】第4回
・雪野郎 ~ザ・クレーター~(短編)
・ジャングル大帝「赤サイの巻」
・ふしぎなメルモ「カエル天使の巻」
・永井豪:魔神王ガロン 第10回
「ザ・クレーター」からセレクトされたのは「雪野郎」。なーるほどそうか、目立たない作品を敢えて選んでるのだな、
「ジャングル大帝」の読み切りは1966年の「小学三年生」「小学四年生」に載ったもの。この当時が本邦漫画史のピークだったはずはないのだが、この頃の漫画こそが一番豊かだったと感じるとはこれ如何に、、
・鉄腕アトム「電光人間の巻」
・バンパイヤ 第2回
・ブラック・ジャック「古和医院」
・火の鳥【未来編】第5回
・三つ目がとおる「寿命院邸の地下牢」
・ブラック・ジャック「かりそめの愛を」
・火の山(短編)
・ふしぎなメルモ「婦人警官の巻」
・永井豪:魔神王ガロン 第11回
メッセージ・ゲスト 松本零士
※よく考えると、松本零士と手塚の関連って知らない。当然影響は受けてるのだろうが。宇宙の見方とかって似てるのかな。。
「火の山」は100ページの力作。この作品も今回初めて読んだが、〈こんな手塚があるのか〉と思わせるほど圧倒的な異色作。って、手塚の作品は全部異色作なんだよね。そういう前提に立てば、全てが腑に落ちてくる。〈すべて異色作〉!〈異色作しか描かなかった〉!(笑)
そうすっと、イショクサクって何なのよ…
・未来をのぞく3人(短編)
・ブラック・ジャック「人生という名のSL」
・鉄腕アトム「火星からかえってきた男の巻」
・三つ目がとおる「スマッシュでさよなら」
・火の鳥【未来編】最終回
・七色いんこ「シラノ・ド・ベルジュラック」
・ミッドナイト「ブラック・ジャック登場」
・ブッダ 外伝「ルンチャイと野ブタの物語」
・バンパイヤ 第3回
・7日の恐怖(短編)
・はるかなる星(短編)
・ふしぎなメルモ「雪国のぶら子ちゃんの巻」
・永井豪:魔神王ガロン 第12回
メッセージ・ゲスト 萩尾望都
私思うに、日本で2番目に重要な漫画家である
突然の休刊発表。雑誌の末尾に「最近の出版不況には勝てず」とある。週刊だったらよかったのにと勝手に思う。月刊だったから買い忘れる人がいたのだと。少し薄くてもいいから週刊にして、2年おきぐらいに「るんは風の中」を掲載すれば、無限ローテーションで新規読者を開拓できる。おそらく一生かかっても読み切れないぐらい漫画を描いたんだから手塚治虫って。
ブラック・ジャック(本マガジン掲載順)「誤診」「はるかなる国から」「ふたりの黒い医者」「めぐり会い」「畸形嚢腫」「ちぢむ!!」「ときには真珠のように」「座頭医師」「ピノコ生きてる」「ある女の場合」「えらばれたマスク」「ピノコ・ラブストーリー」「友よいずこ」「魔王大尉」「アリの足」「六等星」「誘惑」「人面瘡」「U-18は知っていた」「勘当息子」「ブラック・クイーン」「B・J入院す」「空からきた子ども」「医者はどこだ!」「本間血腫」「ハッスルピノコ」「三者三様」「春一番」「ストラディバリウス」「二つの愛」「不死鳥」「落としもの」「畸形嚢腫パート2」「おとずれた思い出」「おばあちゃん」「宝島」「オペの順番」「アヴィナの島」「シャチの詩」「針」「万引き犬」「お医者さんごっこ」「ある教師と生徒」「白いライオン」「もらい水」「海賊の腕」「ハローCQ」「動けソロモン」「古和医院」「かりそめの愛を」「人生という名のSL」
鉄腕アトム(本マガジン掲載順)「青騎士の巻」前編・後編「アトム復活の巻」「メラニン一族の巻」「ミーバの巻」前編・後編「透明巨人の巻」前編・後編「アルプスの決闘の巻」「地上最大のロボットの巻」全3回「アトム対ガロンの巻」「イワンのばかの巻」「ホットドッグ兵団の巻」全3回「人工衛星SOSの巻」「白い惑星の巻」「キリストの目の巻」「マッド・マシーンの巻」「植物人間の巻」「電光人間の巻」「火星からかえってきた男の巻」
どろろ「発端の巻」「百鬼丸の巻」「法師の巻」「金小僧の巻」「万代の巻」「人面瘡の巻」「無残帳の巻」「妖刀の巻」「ばんもんの巻」全編「白面不動の巻」前編・後編「地獄変の巻」前編・後編「無情岬の巻」第1回~第3回「ミドロの巻」「どんぶりばらの巻」「四化入道の巻」「ぬえの巻」
シュマリ「第1章 地の果て」「第2章 余市川」「第3章 刺青」「第4章 雪解け」「第5章 太財一族」前編・後編
リボンの騎士「運命の幕開けの巻」「運命の変転の巻」「‶リボンの騎士″登場の巻」「サファイアの危難の巻」「フランツ王子の誤解の巻」「魔女の娘ヘケート登場の巻」「白鳥になったサファイアの巻」「棺桶塔炎上の巻」「石になった王妃の巻」「海賊ブラッド船長の巻」「さんざしの森のできごとの巻」「子ネコと天使の巻」「ヘル夫人の要求の巻」「女の戦いの巻」「ナイロンの最後の手段の巻」「悪魔の結婚式の巻」「サファイアの復活の巻」「ビーナスのたくらみの巻」「丘の上の奇跡」
火の鳥【鳳凰編】全5回、【黎明編】全5回、【未来編】全6回
ドン・ドラキュラ「第1話 ドラキュラ登場」「第2話 またもやドラキュラ」「第3話 やっぱりドラキュラ」「第4話 ドラキュラ・タンカー」「第5話 なんちゅうかドラキュラ」「第6話 もうひとつドラキュラ」「第7話 ドラキュラvsカーミラ」「第8話 もう一度ドラキュラ」「第9話 ドラキュラ半魚人にあう」「第10話 いとしのブロンダ」「第11話 そういえばドラキュラ」
ふしぎなメルモ「ミラクル・キャンディーの巻」「白鳥の巻」「やってきたおばさんの巻」「テレビのディレクターの巻」「捨てネコの巻」「林の妖精の巻」「山火事の巻」「学芸会の巻」「運動会の巻」「花嫁さんの巻」「カエル天使の巻」「婦人警官の巻」「雪国のぶら子ちゃんの巻」
新選組 全4回
三つ目がとおる「三つ目登場」「第三の目の怪」「魔法産院」「酒船石奇談」「寿命院邸の地下牢」「スマッシュでさよなら」
バンパイヤ 第1回~第3回
動物つれづれ草「キツネ」「サル」「ネコ」「ウサギ」「ネズミ」「カエル」「ウマ」「クマ」「イヌ」
単発で掲載:
ぼくのそんごくう「霊感大王の巻」
ジャングル大帝「赤サイの巻」
七色いんこ「シラノ・ド・ベルジュラック」
ミッドナイト「ブラック・ジャック登場」
ブッダ 外伝「ルンチャイと野ブタの物語」
短編作品(年代順):
シルクハット物語(1954年3~4月)、つるの泉(1956年2~4月)、緑の猫(1956年8月)、舞踏会へきた悪魔(1957年1月)、狂った国境(1957年3月)、母の眼ばなし(1957年3月)、未来をのぞく3人(1958年1月号)、最後はきみだ!(1963年1月)、SFファンシーフリー~炎症(1963年5月)、われ泣きぬれて島と(1966年9月)、嚢(1968年5月)、ジョーを訪ねた男(1968年9月)、野郎と断崖(1968年11月)、グランドメサの決闘(1969年3月)、0次元の丘(1969年3月)、インセクター(1969年4月)、緑の果て(1969年5月)、暗い穴(1969年9月)、7日の恐怖(1969年11月)、雪野郎 ~ザ・クレーター~(1969年12月)、大あたりの季節 ~ザ・クレーター~(1970年1月)、ドオベルマン(1970年2月)、カタストロフ・イン・ザ・ダーク(1970年2月)、生けにえ ~ザ・クレーター~(1970年3月)、新・聊斎志異 女郎蜘蛛(1971年1月)、安達が原(1971年3月)、モモンガのムサ(1971年11月)、荒野の七ひき(1972年7月)、ゴッドファーザーの息子(1973年1月)、はるかなる星(1973年1月)、奇動館(1973年2月)、ハヌマンの冒険(1973年8月)、悪右衛門(1973年9月)、海の姉弟(1973年9月)、ひとでの秘密(1973年10月)、カノン(1974年8月)、雨のコンダクター(1974年8月)、紙の砦(1974年9月)、雨ふり小僧(1975年9月)、原人イシの物語(1975年10月)、四谷快談(1976年4月)、ウオビット(1976年10~11月)、てんてけマーチ(1977年9月)、ころすけの橋(1978年2月)、モンモン山が泣いてるよ(1979年1月)、るんは風の中(1979年4月)、火の山(1979年4月)、インセクター 蝶道は死のにおい(1979年5月)、山太郎かえる(1980年1月)、いないいないばあ(1981年1月)、グロテスクへの招待(1981年9月)、ダリとの再会(1982年3月)、山の彼方の空紅く(1982年5月)、はなたれ浄土(1983年1月)、やまなし(1985年5月)、夜よさよなら(1985年7月)
藤子不二雄A:神の人の近くに
永井豪:魔神王ガロン 第1回~第12回
個人的には「ドン・ドラキュラ」が読めたのがうれしい。短編も充実してたと思う。
なにしろ手塚作品は無数にあるので、アレがないじゃないかと言い出したらキリがない。例えば、「フィルムは生きている」が入ってないのはおかしい、などと言う人は絶対いそうな気がする。
もし新たな手塚治虫マガジンが出されるなら、私は「ブタのヘソのセレナーデ」を載せてほしい。初出時に病院の待合室で読んで、子どもながらに感銘を受けた作品だからだ(笑)。そんなふうに思い入れのある作品は人それぞれだろう。
もう400円でこんな素晴らしい雑誌が読める日はこないのかなあ。などと感傷に浸りつつ、一生モノの宝物だったのだと確信しながら表紙たちを愛でる。。