昭和天皇崩御の翌日、平成元年がスタートした。1月8日の日曜日だった。
未明のNHKニュース:
10分間の短いニュース
朝6時のNHKニュース:
この後も実際には崩御関連のニュースが続きます
新時代一発目の朝のニュースは、6時から始まったのだ。
この2つのニュース番組の間には、延々パイプオルガンの演奏が流される。
今聴いても知らない曲ばかりなのだが、その中の1つとしてブルックナーの交響曲第7番第2楽章が演奏されたのよ、パイプオルガンで。
これがなんとも実に良い。
そんなようなことを語ろうとするブログです。
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昭和天皇が入院されたのは、9月19日のことであった。
その4日後のニュース映像がある。
TV放送においては、通常の番組の中でも、天皇陛下の容体についての情報が随時リアルタイムで流されたりした。
ほんの一例:
昭和63年10月23日午前10時放送『仮面ライダーBLACK RX』第1話より:
国民の間には「自粛ムード」というムーブメントが起こり、TVコマーシャルで「お元気ですか」と言うことも憚れるようになったのは有名な話。
だが私の記憶だと、その後、大げさな自粛ムードを続けるのは天皇ご自身や皇族方の意に沿うものとも違うのではないかという風潮が強まり、「自粛ムードを自粛する」というムーブメントが出てきたように思う。
12月25日(クリスマス)の、とある番組より:
米米CLUBのカールスモーキー石井さん
「自粛!」という挨拶が流行ったわけではない
年を越してすぐ、1月7日の朝に天皇陛下は崩御されます。土曜日だったわけです。
その日のうちに新元号「平成」が発表・公布されたのですが、非常に慌ただしく物事が進んでいったという記憶しか個人的には残ってない。ニュース番組とかも、敢えて録画などしなかったように思う。
ただ、昭和から平成への時代またぎのNHK放送は、ビデオに録画していたのだった。こんな貴重な経験は一生に一度きりとでも考えたのだろう。
時代またぎ:「昭和」⇒「平成」
この「映像でつづる昭和史」という番組が3時21分まで続き、新時代最初のニュースへと至るわけです。
そして10分間のニュースの後は、朝方まで尽きることなくパイプオルガンの演奏が繰り広げられます。
この果てしなく続く音楽の中の1曲として、ブルックナーの交響曲第7番第2楽章が流れたのだ。
後から考えればだが、心に染み入る出来事である。
絶妙の選曲だと思う。
過ぎ去ろうとしている時代へのレクイエムであるとともに、新時代に歩みを入れてゆこうとする人々への激励の音楽として響く。
新しい時代も、つらく大変なことも多いだろうけど、穏やかな気持ちでやっていこう。きっとなんとかなるよ。・・・そう言ってる曲のように聴こえるではないか。
どれだけの人が知っているのかなあ。平成時代の未明にブルックナーが流れたんですよ。
良い時代になりますように。。そして、6時からニュースが始まる。
平成時代はこのように迎えられたのです。
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有頂天というバンドに「Sの終わり」という楽曲があります。「S」とは昭和のことです。
当時は何とも思わなかったのに、今聴くと得も言われぬ感動を覚える。曲の最後、〈さあ 走らないで とどまれ〉という歌詞が繰り返されます。一体どういう意味なんでしょう?
なんだか不思議と、心の奥から元気と勇気が湧いてくるような気がする。。
〈さあ 走らないで とどまれ〉
(いつまでも)